映画「ZONBIO/死霊のしたたり(1985)」2人の変態サイエンティスト

「ZONBIO/死霊のしたたり」は、1985年公開のアメリカのホラー・コメディ映画です。

死体を蘇らせる血清を発明した狂気の医学生ハーバート・ウェストの暗躍を描いた作品です。

怪奇小説の大家H･P･ラブクラフトの小説「死体蘇生者ハーバート・ウェスト」を、本作が初監督となるスチュアート・ゴードンがコメディの味つけも加え映画化したものです。

この記事では、作品情報、見どころを語っていきます。

ZOMBIO/死霊のしたたり(字幕版)

作品情報

予告動画

概要　

伝説のＢ級映画製作会社エンパイヤピクチャーズの最高傑作とも言われる作品です。

医学生ハーバート・ウェストが、自信が開発した血清を使って死体を蘇らせていくことで、様々な恐怖を巻き起こしていきます。

ウェストの放つ狂気もそうですが、ヒル博士の圧倒的な変態性も大きなインパクトがあります。

血や肉が飛び散り内臓が飛び出す様子を特殊造形で生々しく描写した、80年代のスプラッター映画を代表する作品となっています。

作中にきっちりエロ描写もあり、テンポの良いストーリーで最後まで一気に見ることができる、カルトホラーの名作です。

スタッフ・キャスト

あらすじ

マサチューセッツ州のミスケトニック・メディカル・スクールの脳外科医ヒル博士の研究室で助手を務める医学生ハーバート・ウェストは、ある日、死体を蘇生させる血清の発明に成功します。

ウェストは同室の医学生ダンと共に、血清の効果を確かめようと、夜の死体置き場で蘇生実験を試みます。

血清を打った死体は、突如蘇って暴れ出し、噂を聞きつけてやってきた学長のホルジーを殺してしまいます。

そこでウェストは血清を使って、ホルジーの蘇生を試みますが･･･。

見どころ

２人の変態サイエンティスト

本作の見どころといえば、ハーバート・ウェストとヒル博士という2人の変態サイエンティストの狂気です。

若き医学生ハーバート・ウェストは、メガネをかけた陰キャラという風貌です。

ウェストを演じた俳優ジェフリー・コムズのギョロッとした目つきが、いかにもマッドな科学者という感じで、サイコパスの雰囲気を存分に醸し出しています。

死体を蘇らせるという研究に異常なまでの執念を燃やし、恩師のグルーバー博士や、同僚のダンの飼い猫を実験台にするほどです。

新しい死体が発生するたびに血清を打っていくのがバカバカしくて笑えます。

ダンの恋人メグにはあからさま気持ち悪がられており、リア充のダンとは合わないタイプなのだということが伝わってきます。

そして、もう一人の変態は、ヒル博士です。

ヒル博士は、性欲が旺盛な、純粋な変態といったところです。

ストーカー気質があり、ダンの恋人メグをひそかに狙っていたりします。

首を切断されても性欲は無くならず、自分の生首を持ってメグのオッパイをペロペロ舐め回すという、最も間違った生首の使い方を見せてくれます。

これ以上ない圧倒的な変態性を表す、映画史に残したい名シーンですね。

グログロのスプラッター描写

本作は、血清により死者を人工的に蘇らせるという設定で、死者に噛まれてもゾンビになるわけではないので、純粋なゾンビ映画とは少し違うかもしれません。

それでも、並のゾンビ映画を上回る激しいスプラッター描写があります。

目と口から血を噴き出したり、生首の目に指を突っ込んだり、崩壊した人体から出てきた腸にグルグル巻きにされたりと、死体で遊ぶかのような表現が徹底されています。

ここまで振り切ると清々しさを感じるほどで、グロと笑いは紙一重なのだと思わせてくれます。

特殊メイクの出来がこれまた素晴らしく、CGには出せない生々しい迫力が伝わってきます。

まとめ

スプラッター描写に、エロ描写、コメディ要素も詰まった盛り沢山な作品です。

２人の変態のキャラクターも立ちまくりで、一度見たら忘れません。

85分という短い時間で、ストーリーもテンポよく展開していきます。

B級カルト映画に分類されますが、間違いなく傑作だと思います。