「悪魔の毒々モンスター」は、1984年にアメリカで公開されたホラーコメディ映画です。
いじめられっ子の陰キャラが、あるきっかけで醜いモンスターに生まれ変わり、街にはびこる悪を成敗していくというストーリーです。
エログロ・ナンセンスというB級映画の要素をこれでもかと詰め込んだ、トロマ・エンターテイメントの代表作でもあります。
この記事では、作品情報、見どころをなるべくネタバレ無しで語っていきます。
悪魔の毒々モンスター ノーカット無修正完全版 [DVD]
作品情報
予告動画
概要
トロマ社は過激なB級おバカ映画を量産し続けてきた伝説の映画会社であり、本作はトロマ社の代表作ともいうべき作品です。
本作は、街にはびこる悪党を、筋骨隆々で醜い外見の毒々モンスターが次々と成敗していくという内容となっています。
徹底したエログロ・ナンセンスに社会風刺まで盛り込んだ作品であり、本作のヒットにより、トロマ社は世界中に熱狂的なファンを生み出すことになります。
日本でも人気を博し、その後のトロマ社の作品には、結構な頻度で「悪魔の毒々」という邦題が付けられることになります。
本作は「トロマの逆襲2013!」として、2013年に新宿武蔵野館でリバイバル上映がされ、2023年1月には大阪・サンケイホールブリーゼでコメディミュージカルも上演されました。
スタッフ・キャスト
- 監督:マイケル・ハーツ、ロイド・カウフマン
- 製作:マイケル・ハーツ、ロイド・カウフマン
- 脚本:ジョー・リッター
- 撮影:ジェームズ・ロンドン、ロイド・カウフマン
- 音楽:マーク・カッツ
- キャスト:アンドリー・マランダ、ミッチェル・コーエン、ジェニファー・バプティスト、シンディ・マニオン、ゲイリー・シュナイダー、マーク・トーグル
あらすじ
スポーツクラブの清掃員として働く、主人公のメルヴィン(マーク・トーグル)。
メルヴィンはひ弱でモテない典型的な陰キャラタイプで、仕事でも失敗ばかりしています。
スポーツクラブの不良グループには目をつけられ、イジメのターゲットにされてしまいます。
あるとき、メルヴィンは不良グループの策略にはまり、不運にも有毒廃棄物へと突っ込んでしまいます。
この影響で、メルヴィンは醜悪な顔に筋骨隆々のボディを備えた毒々モンスターへと生まれ変わり、街にはびこる悪党どもをぶちのめしていきます。
見どころ
主人公の気持ち悪さ
本作では、主人公メルヴィンを演じたマーク・トーグルの演技が素晴らしく、冴えない陰キャラの役を見事に演じています。
メルヴィンはドラえもんに出てくるのび太君のポジションなのですが、それよりもさらにぶっ飛んでいます。
ネット上の感想では毒々モンスターより気持ち悪いという声もあるほどです。
例えば、ロッカールームで男女の営みを偶然目撃すると、ニヤーっと笑いながら、プルプルと体を震わせて興奮するのです。
このリアクションが本当に気持ち悪く、その他にも様々な表情を見せてくれます。
マーク・トーグルの演技には一見の価値があります。
悪党には裁きを!
本作の舞台はトロマ社の名を冠した「トロマヴィル」という街なのですが、北斗の拳のような「ヒャッハー!」の世界で、治安が最悪なのです。
不良グループが、歩行者を車で跳ね飛ばすと得点がゲットできるゲームをしていたりするのです。
この得点は、人種や年齢に応じて加算されます。完全に「デス・レース2000年」のパクリですね。
ストーリー上さして重要ではない少年を車で跳ね、その前に母親がやさしく見送るシーンをわざわざ挿入してくるという趣味の悪さには笑うしかありません。
映画によくある悲劇の演出を茶化しまくってますね。
他にも、強盗がタコス屋の客や盲導犬をショットガンで撃ち殺したり、市長が私腹を肥やしていたりと、悪党だらけなのです。
そんな悪党には情け無用とばかり、毒々モンスターは様々な方法で制裁を加えていきます。
人間の腕を引きちぎったり、トレーニングマシンの重りで頭を潰したり、腹から腸を引きずり出したりと、残虐描写がこれでもかと続きます。
といってもコメディ要素が加えられているので陰惨な感じはなく、バカバカしさと下らなさに笑えてくるほどです。
まとめ
徹底したエログロ・ナンセンスに社会風刺まで詰め込んだ作品です。
悪党たちが残虐な方法で制裁されていきますが、自業自得なのとコメディ要素満載なので、陰惨な感じは全くありません。
ストーリーにも勢いがあって、世界中に熱狂的なファンを生み出したというのも頷けます。