「ブロブ/宇宙からの不明物体」は、1988年にアメリカで公開されたSFホラー映画です。
アメリカの田舎町に出現した粘液状の生命体ブロブと人間たちの戦いを描いています。
1958年の映画「マックイーンの絶対の危機」をリメイクした作品です。
この記事では、作品情報・見どころをなるべくネタバレ無しで語っていきます。
ブロブ (字幕版)
作品情報
予告動画
概要
本作は、1958年の映画「マックイーンの絶対の危機」をリメイクした作品であり、SFXをふんだんに活用することで、粘液状の生命体ブロブをよりリアルな質感で表現しています。
アメリカの田舎町に出現したブロブと人々の戦いを描いており、ブロブの犠牲者が予想しにくいので最後まで緊張感がとぎれません。
ホラー映画でありながら怪獣映画のテイストもあり、大味になりそうなストーリーも伏線の回収を見事に行うことですっきりとまとめています。
監督・共同脚本のチャック・ラッセルは後に「マスク」「スコーピオンキング」の監督を務め、もう一人の共同脚本のフラック・ダラボンは「ショーシャンクの空に」「グリーンマイル」で監督・脚本を務めており、本作のストーリーが面白いことにも頷けますね。
スタッフ・キャスト
- 監督:チャック・ラッセル
- 脚本:チャック・ラッセル、フランク・ダラボン
- 製作総指揮:アンドレ・ブレイ
- 製作:ジャック・H・ハリス エリオット・カストナー
- 撮影:マーク・アーウィン
- 音楽:マイケル・ホーニッグ
- キャスト:ショウニー・スミス(メグ)、ドノバン・リーチ(ポール)、ケビン・ディロン(ブライアン)、ジェフリー・デマン(ハーブ保安官)、キャンディ・クラーク(フラン)
あらすじ
アメリカの田舎町アーバーヴィルの森の中に火の玉が落下してきました。
その様子を目撃した老人が現場に駆けつけたところ、腕に粘液状の生物が取りついてしまいます。
そこへデート中のメグとポールが通りがかり、老人を病院へと運びます。
老人は安静にしていましたが、気が付けば体の半分が溶けて無くなっていました。
粘液状の生物は人を食べながら成長を重ね、街を襲い始めます。
見どころ
ブロブの生々しい生物感
本作に出てくるブロブは、生物を食べることでパワーアップしていく粘液状の生命体です。
「ジョジョの奇妙な冒険」第3部に出てきた敵スタンドのイエローテンパランス(黄の節制)をイメージしてもらえれば分かりやすいです。
おそらくジョジョも本作が元ネタでしょう。
本作では、この粘液状の生命体をSFXで表現しており、生々しい質感を出すことに成功しています。
電話ボックスのガラス越しにブロブがウネウネと動くシーンなどは、本当にブロブという生物が存在するかのような迫力を感じさせてくれます。
CGには出せない、SFXならではの魅力ですね。
人体溶解エンターテイメント
「ジョジョの奇妙な冒険」第3部では、イエローテンパランスに飼い犬が食べられそうになって、飼い主が「わっわたしのポッキーがァーッ」と助け出そうとリードを引っ張った結果、犬の首が千切れてしまいます。
本作でもこの「わっわたしのポッキーがァーッ」状態があり、ブロブに取り込まれた人間を助けようと腕を引っ張ると、腕が千切れてしまいます。
このように本作では、ブロブに食べられ溶かされる人間の描写にとことんこだわっています。
冒頭の下半身が無くなる老人に始まり、「スクリーム」に出てきたゴーストフェイスみたいに顔の皮膚が垂れ下がってしまったり、体の中から食われて空気が抜けた人形のように顔がしぼんでいったり、顔の半分が溶かされ目玉や歯が無くなっていったりと、これでもか!というくらいショッキングなゴア描写を見せてくれるのです。
ゾンビ映画が好きな人にも満足のいく内容となっています。
ストーリーの面白さ
本作はB級映画と言われていますが、ストーリー展開はA級と言えます。
スポーツマンに美女、不良など、映画によくありがちな登場人物で展開が読めると思いきや、誰が犠牲になるのか全く予想がつきません。
映画の定石を無視し、女性や子供も容赦しないので、最後まで緊張感が保たれるのです。
また、伏線の回収が見事であり、前半部分から数々の伏線が散りばめられているのでそちらも見逃せません。
さらに、脚本を担当したフランク・ダラボンは大の怪獣映画フリークでもあり、やりすぎなくらいに事態がエスカレートしていくという展開も怪獣好きの視聴者を楽しませてくれます。
まとめ
B級映画とは言われていますが、伏線の回収が見事で大味になりそうなストーリーもよくまとまっています。
SFXを駆使したゴア描写も素晴らしく、ゾンビ映画が好きな視聴者も満足できるないようとなっています。
B級映画の枠を超えた名作と言っていいでしょう。