ゾンビ3は、1981年製作のイタリアのホラー映画です。
突如蘇ったゾンビの群れと、逃げまどう人々の姿を描いた作品です。
ゾンビよりも怖いマイケル少年が圧倒的な存在感を放っており、カルト的な人気のある怪作です。
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作品情報
概要
ゾンビよりもはるかに不気味な、マザコン少年マイケルに扮するピーターバークの怪演が有名な作品です。
もちろん、ジョージ・A・ロメロ監督の「ゾンビ」とは関係がありません。
ストーリーは、蘇ったゾンビに人間が襲われるだけという、単純極まりないもので、特に山場もありません。
そこで際立ってくるのが、マイケル少年の不気味さでしょう。
ゾンビそっちのけでマザコンプレーに勤しむマイケル少年が、背徳感の塊なのです。
とにかく、マイケル少年と母親の絡みばかりが印象に残る怪作であります。
一部ではカルト的な人気のある作品です。
スタッフ・キャスト
- 監督:アンドレア・ビアンキ
- 製作:ガブリエル・クリサンティ
- 脚本:ピエロ・レニョーリ
- 撮影:ジャンフランコ・マイオレッティ
- 音楽:エリシオ・マンキューゾ
- キャスト:マリアンジェラ・ジョルダーノ、カリン・ウェル、ジャンルイジ・チリッチ、シモーネ・マッティオリ、アントネッラ・アンティノーリ、ピーター・バーク
あらすじ
古代エルトリア文明を研究していた考古学者のエアーズ教授は、太古の遺跡に秘められていた禁断の呪術を封印を解き、死者を蘇らせてしまいます。
教授に招かれ、人里離れた広大な屋敷を訪れた親戚の人々は、束の間のバカンスを楽しんでいましたが、突如として蘇った死者の群れに襲われます。
屋敷に閉じ込められた人々は、必死で抵抗を試みますが、執拗に襲いかかる死者たちの前に、一人また一人と犠牲になっていきます。
みどころ
ゾンビより不気味なマザコン少年マイケル
なんといっても、マザコン少年「マイケル」の圧倒的な存在感が魅力です。
屋敷を訪れた夫婦の10歳くらいの息子という設定なのですが、老けすぎで違和感ありまくりです。
それもそのはず、マイケルを演じたピーター・バークは、当時すでに25歳です。(30歳を超えていたという説もあり)
当時のイタリアには、性的、暴力的な映画には未成年が出演できないという法律があり、25歳の低身長の俳優を起用したというわけです。
マイケル少年はマザコンぶりを遺憾なく発揮し、
寝ていたと思ったら、くわっと目を見開いて、母親がエッチしている現場に表れて「ママ…」と一言。
ゾンビに包囲された極限状況でも、唐突に母親に迫り「ママ愛しているよ」とスカートの中に手を入れてビンタされ、
ゾンビになった後には、母親のオッパイに吸い付くと、そのまま食いちぎるという過激プレー!
・・・いったい、我々は何を見せられているのでしょうか!?
ゾンビ映画ながら、マイケルが一番目立っていたのでした。
変質者にしか見えないゾンビ、ただし知能は高い!
特殊メイクを担当するのはジノ・デ・ロッシという人物で、「サンゲリア」のジャネット・デ・ロッシとは別人です。
「サンゲリア」のようなゾンビの造形を目指しているのですが、技術的には及ばず、着ぐるみを被った変質者にしか見えません。
初登場の演出もテキトーで、ごく普通に何の脈絡も無く現れます。
畑仕事に向かうお爺さんのように、「よっこらせ」という感じで緊張感ゼロです。
そして、このゾンビの特筆すべき点は、知能の高さでしょう。
人間の腕に刃物を突き刺して固定した後に大鎌で首を狩ったり、壁をよじ登って室内に侵入してきたり、人間に変装して襲いかかったりと、これまでのゾンビとは違う知能があるのです。
挙句の果てに、集団を作って斧やクワで武装し、丸太を持ってドアを突き破るという、高度な連係プレーを見せてくれます。
どう見ても百姓一揆ですが。
頭のいいゾンビに比べ、登場人物たちはよせばいいのに単独行動を繰り返し、ゾンビに各個撃破されていきます。
人間の方が知能を疑うレベルなのでした。
まとめ
ストーリーやテーマなど有って無いようなもの、蘇ったゾンビに人間が襲われるだけという展開が続いていきます。
ひたすら残酷描写の連続で構成された、ある意味で最も純粋なゾンビ映画とも言えます。
それに加えて、マザコン少年マイケルの存在感が際立っています。
これだけでも一見の価値がある作品と言えます。